2014年3月 | 親の介護☆泣くな騒ぐな寿司食いネエ!

2014年3月

親は親、子どもは子ども

2014年03月03日(月)

「○○さんのお母さんと話をすることはできますか?」ある日こんな電話が某施設からかかってきました。その施設にいた息子さんが入院し、今しがた亡くなったというのです。お母さんにその話を伝えて、葬儀のことや遺骨をどうすればよいのか聞いたい、電話をしたいというのです。お母さんは数年前から特別養護老人ホームに入所しており、認知症の上に寝たきり、電話に出ることは不可能です。内容を伝えたところで理解することもできないでしょう。息子さんは長男さんで60代半ば、次男さんもいるはずなのですが行方がわかりません。夫はとうに亡くなっています。特別養護老人ホームの相談員が某施設に事情説明のため電話をしました。

結局、息子さんは無縁仏として葬られることになりました。虚しいですね。生きるってなんだろうとそんな思いにかられました。そしてもっと思ったのが、家族ってなんだろうということです。このケースでは、結婚し、子を産み、育てきた人生が、老いた時には全部チャラになってしまって負の部分だけが際立ってしまっている。築いてきた家庭はすっかり過去の中で色褪せ、そんな事実なんてなかったかのように消え失せてしまっているのですよね。

この仕事をしていていつも思うのは、家族というのは人生の中の「仮の場」でしかないのかもしれないということです。いつか子どもたちは「一人の人間」として自分の人生を歩み始める、その日のために過ごす仮の場、そう思ったほうが気が楽なんじゃないかと、子どもが離れてしまったことを嘆き、もがき苦しむ親の姿を見ているとそう思います。自分の生も死も、結局のところ一人で背負うしかないのかなと。そのためにはもちろん若い頃から、そういう覚悟のもとで生活設計をしておく必要がありますが、人生、時に計画どおりに行かなくなることもあります。潔く生きる・・・最近はそんな言葉がいつも胸の中にあります。

デイサービス利用は誰のため?

2014年03月30日(日)

M子さんは93歳。とてもお元気で、週一回、近くの公民館でやっている社交ダンスのサークルにはまっています。足取りは90歳代なりですが、ご本人は結構かっこよく踊れると思っているようで、ジルバを踊った、タンゴを踊ったと自慢げに話して聞かせてくれます。家事は昔ほどはできなくなっていますが、それでもご飯を炊いたり、お味噌汁を作るぐらいのことはできるので、おかずを近くのコンビニで買ってきて、それをちょっと暖めて食べれば結構バランスのとれた食事を一人で摂ることもできます。お風呂も排泄も問題ありませんから、在宅での生活は特に問題ありません。

でも、ご家族はM子さんをデイサービスに行かせたくて仕方がありません。介護保険を申請したところ「要支援1」の認定結果がおりました。93歳という年齢を考えれば、同じことを話したり、薬の管理ができなかったり、足腰が弱っているのは当然といえば当然のこと。それなりに妥当な結果だと思います。ご家族の強い希望がありましたので、週1回のデイサービスを利用することとなりました。ご本人は「私は行かないわよ。一人でなんでもできるし、人と一緒に何時間も過ごすのなんて疲れるだけでいやよ。」と頑なに拒否していましたがなんとかデイに・・・。ところが次の週は「二度と行かない」と言って、お迎えのデイの車を返してしまいました。

デイサービスの利用にあたっては、ご本人の心身の機能低下を改善・予防することと、ご家族の介護負担の軽減という目的が考えられますが、このケースの場合、やっと子どもも独立した今、夫婦二人きりの生活をしたいという長男夫婦のたっての希望がありました。嫁さんはこの家に婚ぎ、以後かれこれ40年近く舅(4年前に死去)、姑の世話に明け暮れていました。狭い家で年がら年中顔を突き合わせていますから、気分の休まる時がなかったようです。早い話が「もう精神的にもたない、いい加減に解放してほしい」ということなのです。

ケアマネージャーはあくまでもご本人の意思を尊重し、その上で家族の介護負担について考慮するという立場にあります。このケースで言えば、ご家族の介護負担はあまりありませんし、家に閉じこもっているわけでもないM子さんですから、デイサービスの利用を勧める理由がみつかりません。強いて言えば「足腰が弱ってきているので、定期的にリハビリを兼ねて出かけましょうか」ということぐらい。でも、ご家族の気持ちも痛いほどわかります。M子さんが「週に一回ぐらいは夫婦二人きりで過ごせる日を作ってあげようかしら。足腰が弱っても大変だしね。」と思ってくれるのが一番なのですが、そんな思いは微塵もなさそうです。どこでどう折り合いをつければ、本人も家族も幸せになれるか、そのことについてゆっくり話し合っていかなければなりません。


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