2014年10月 | 親の介護☆泣くな騒ぐな寿司食いネエ!

2014年10月

家族での介護が限界になった時

2014年10月05日(日)

市の介護保険課から、「介護保険を申請したばかりで、まだ認定結果が出ていないけれど、早急にデイサービスを利用したいという家族の方から相談を受けたので、対応をお願いします。」という連絡がありました。介護保険というのは「暫定」という形でですが、申請を出した日からサービスを受けることが可能です。結果が非該当になってしまったら、それまでに受けたサービスの費用は自分で負担しなければなりませんが、お会いしてみれば、非該当になってしまうか、認定されるかは大体見当がつきます。そこで、早速ご自宅を訪問してみました。

大きなお屋敷で、門には生花師範の看板が掛けられています。家の中に入るとこれまた広い。その一室に今年90歳になったお婆ちゃんが寝ていました。8月に腰椎の圧迫骨折で入院し、それ以来お風呂にも入っていないということでしたが、その割には手も顔もとてもきれいで、部屋にも尿臭ひとつ感じられません。よほどよく面倒を看られているのでしょう。お婆ちゃんへかける言葉もとても優しくて、心がほっくりしました。介護度はかなり高そう。

起き上がることが難しい様子でしたので、この状態でのデイサービス利用はちょっと難しいと思い、ホームヘルパーさんの利用などを勧めましたが、同居されている長男夫婦も、たまたま遊びに来ていたお孫さんも、乗り気ではありません。お部屋の陰になるところから、お孫さんが手招きをします。「母がもう限界なんです。ショートステイを、すぐにでも利用できるようにしてもらえませんか。父母が解放される時間を作ってあげたいんです。」と。ショートステイの手続きを至急取り、翌週から一週間の利用が決まりました。

私が訪問して一番最初に感じたのが、なんて素敵な家族なんだろうということでした。家族が助け合ってお婆ちゃんを丁寧に看ている。大きな家に住み、経済的にもいかにも恵まれている風だし、孫、ひ孫に囲まれた家族関係も良好そうでした。世の中にはこんなに恵まれた家族もいるんだなあと、普段、家族の揉め事の中で翻弄されている高齢者ばかり見ていますので、本当にうらやましく思って見ていました。

ところが・・・ショートステイ利用後、お婆ちゃんは家に帰ることもなく、そのまま有料老人ホームに入所してしまいました。限界だったんです、家族は。「もう介護はできない、したくない」と思っていたようです。仕方のないことですが、一室で言葉もなく寝ていたお婆ちゃんの、時折見せたおびえたような表情が思い出されます。感じていたのかな、家族の気持ちを。

薬の管理が難しくなったら

2014年10月26日(日)

高齢者の病院通いには意外な問題点があります。受診の際に自分の症状を医師に正確に伝えられなかったり、医師からの説明を十分に理解できないのです。そのため、飲むと具合が悪くなると感じている薬なのに、医師にそれを伝えられず、飲まないと病気が悪くなると思い込み、お呪いのように飲み続けているなんていうケースもあります。

90歳のお婆ちゃんがいます。しっかりされているようでも年齢的な衰えは隠せず、記憶力や理解力に問題があって、日常生活を送る上では家族の支えがどうしても必要になっています。特に医療面では、一人での通院が難しい状態になっているのですが、同居している息子夫婦は仕事が忙しいこともあって、まったく意に介していません。病院へはタクシーを利用して行っているのですが、タクシーの乗降も結構大変です。

もっと切実なのは薬のことです。薬をきちんと飲むことができず、飲んだのを忘れてまたすぐに同じ薬を飲んでしまうのです。体が急に震えだしたり、目が回って倒れたりすることがあって、そのたびに自分で救急車を呼んでいました。救急隊員からは「またですか」と言われる始末。ところが、本人も家族も、まさか薬のせいだとは思っていなかったようです。ケアマネさんが関わるようになり、まず最初に薬を疑いました。案の定、受診した数日後に訪問すると、3週間分出されているはずのメンタルのお薬と入眠剤がほとんどなくなっています。意図的にではなく、本当に忘れてしまって、一日に何回も飲んでしまっていたのです。

本来なら、家族に服薬管理をお願いするところですが、ケアマネさんは、家族関係を考え、他人にお願いしようと思いました。「居宅療養管理指導」の制度を利用したのです。薬剤師さんが月1回、薬の管理指導のためにお婆ちゃんの家を訪問していますが、それ以来、薬の過剰摂取はなくなり、救急車を呼ぶこともなく、とても健康に過ごされています。居宅療養管理指導については長くなるので書きませんが、もし、そうした制度を利用してみたいと思ったら、ケアマネさんに相談してみてください。

高齢者の受診の際には、できるだけご家族が同伴されることをお勧めしますが、それを負担だと感じるご家族や、独居高齢者の方もいますので、医療に精通した専門家が、受診時に診察室に一緒に入って話を聞いてくれるような制度があるといいなあと思っています。


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