親の介護に疲れて施設に入居させれば距離がうまく保てます

親を施設に入居させる

2011年06月10日(金)

施設に親を入所させようと思った時の心の葛藤というのは、一言では言い表せないほど複雑なものです。私は母をホームに入居させようという気持ちはなりませんでしたが、もし介護度が5なんていうことになっていたら、自分が心身ともに潰れてしまう前に、入居の決断を下していたかもわかりません。介護をしている時というのは往々にして、あと何年こんなことが続くのかという、絶望に近い心境にまで追い詰められてしまっていますから、母を最期まで見る自信はなかったに違いありません。

30代40代なら、母の最期を看取ってからでも人生やり直せるという、そんな希望が持てたかもしれませんが、50代という年齢は何かができる人生最後の時間だという思いが強く、この先ずっと母を看ていれば60代、そうなれば仕事だろうが新しい趣味だろうが、きっと復帰できなくなるだろうし、なにより体がついていかなくなってしまうという恐怖感がありました。50代は更年期障害とも重なっていますから、心身のバランスをとることがとても難しく、余計に余裕をなくしていたように思います。

自分のやりたいことは今しかできないのに、親のために自分の人生が犠牲になってしまっていいの?・・・そんな囁きを聞いては追い詰められた感情になり、母に、いつまでもいつまでも生きていて欲しいとは思わなくなってゆきました。そうなったら家庭での介護というのはとても難しいんですね。「やってやっている」という傲慢な心が芽生え、なんで親のために私が犠牲にならなくちゃいけないの、どうしていつまでも生きているのという残酷な気持ちが抑えきれなくなってしまうのです。こうなったら要注意。要介護者のためにも介護者のためにも距離を作る工夫をしないと、双方が不幸になってしまいます。施設の入居を親不孝だなんて思わず、大いに利用しながら介護を乗り切りましょう。距離がうまく保てるようになることで、ずっと優しくなれるはずです。


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