母の排泄の失敗からオムツを使うようになった

排泄を失敗しないようオムツを使ってしまった

2011年06月11日(土)

母はオムツをあまり嫌がりませんでした。むしろ、トイレに行きたいのに間に合わなかったり、寝ているときなどに知らない間に排泄をしてしまうことのほうがずっと嫌だったようです。漏らす心配がなくなったことで、むしろ精神的にラクになったような感じがしました。市販のオムツはしっかり吸収してくれることもあって、あまり不快ではなかったのでしょう。ただ、オムツを使うことは決してお勧めできることではありません。排泄したいという信号が脳に伝わり、どっこらしょと体を動かしてトイレに行くという一連の動作は、生きようとする意欲ともつながるように思うのです。

もっとも介護者が仕事を持っていたり、あるいは介護者自身も高齢だった場合など、一日中排泄を見守っていることができません。ですからどうしてもオムツに頼らざるをえないのですね。特に外出をする時などはオムツが重宝してしまうのです。一度姉が母を外食に連れ出したことがありました。帰ってくるなり「お店の中で大をお漏らししちゃったの。オムツを持っていってたから良かったけれど、逃げるようにして帰ってきた」と言うのです。母は、姉がそう言っている傍で、いったいなにがあったのか、自分が何をしたのかさっぱりわからないと言った顔をしていました。

今でも、母にオムツをあててしまったことを後悔しています。ひとえに私の怠慢だったのではないかと思ったりするのです。寝たきりであったり、排泄がままならない日常であったのなら仕方ありません。でも、どうにか歩けたのですし、意志を伝える力も最後まで残っていましたから、面倒でも排泄につきあうという根気が私には必要だったように思うのです。母の人間としての尊厳を私は踏みにじってしまったのではないかと、そんな気持ちに苛まれます。


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