家族の葛藤と施設

介護をめぐる家族の葛藤

2011年11月09日(水)

社会福祉士の実習記録の中からまた書いてみます。施設実習のデイサービスでは、施設の送迎バスに乗り、職員の方たちと一緒に利用者の送り迎えをしていました。ある日の記録にはこう書いています。

「送迎車が出発しても、いつまでも笑顔で手を振ってくださる家族に囲まれている利用者。その反対に、振り向くこともなくさっさと部屋に戻られてしまう家族。老いて体が不自由になってしまった親、あるいは夫、妻と、これまでそれぞれの家庭がどのような気持ちで生きてきたのかを垣間見る思いがした。

何十年もの間、家族、家庭を必死で守ってきた親や夫や妻。その労苦に見合うだけの、心満たされる終末期が用意されていてもよいと思うのだが、家族によっては、さまざまな葛藤を経て、素直に介護を受け入れることができなくなってしまっているのかもしれない。「家族」という関係は、他人以上に難しい。福祉に関わる者の立場としては、利用者の方には人として尊厳ある生き方を最後までして頂きたいし、生きてきたことを肯定できる老後を過ごして頂ければと思う。施設がそうしたことを実現する場となることに力を尽くしてみたいと思った。」

老いるということ・・・それは、家族も介護される方も認めたくないことなのではないでしょうか。どちらも老いにとまどい、収拾のつかない感情が双方に生まれてしまうことがあります。福祉というのは、高齢者の心、家族の心の葛藤をうまく掬い上げて援助してゆく仕事なのだと思います。でも、施設の職員は往々にして若い方が多く、複雑な心の内を察することは苦手だったように思います。母の介護の時にそのことを痛感しました。でもだからといって、私自身、実習で考えたことを母に実践したかというと・・・そんなことはなかったのです。家族という関係は、やはり難しいのです。


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