介護の重圧で虐待

介護に疲れて虐待に

2011年11月29日(火)

ある日の実習記録は介護にまつわる虐待問題についてでした。

入浴時、利用者のTさんの背中にアザがあることに気がつき、施設職員にそのことを報告したところ、これが初めてではないとのこと。娘さんが介護に苛立ち、しばしば階段から利用者を引き摺り降ろしてできるアザなのだそうです。Tさんは娘さん夫婦と暮らしています。デイサービスのお迎えで娘さんにお会いするかぎりでは、とても虐待をする方のようには見えませんでした。よほど苦しい思いをされていたのではないでしょうか。

現場の実習記録というのは毎日施設に提出するのですが、そのたびごとに指導者評が書かれて返されます。その日の指導者評にこんなことが書かれていました。

「先のまったく見えない介護は、介護者にとって途方もない重圧をもたらします。家族であるからこそ、老い(認知症や障害)を受け止めることができずに苦しんでおられます。私たち福祉従事者は「介護の一歩は、その障害を受け入れること、認めることです」と介護者に一番に申し上げるのですが、要介護者のお元気で活躍なさっていた姿を知っているご家族にとっては、その事実を受け入れることはとても難しいことのようです。これまで介護は家族の仕事だとされてきましたが、これを社会で支えてゆくことが必要不可欠な時代になりました。それが社会の責任だと思うこの頃です。」

どんな指導者だったか、実は顔も性別さえも覚えていないのですが、ここに書かれていたことはずっと頭の片隅から離れず、今に至っています。


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