重度の認知症の介護

重度の認知症

2011年11月30日(水)

後半の実習は、重度の認知症の方たちが入所されている棟で行いました。重度の要介護者はほとんど意思の疎通が不可能で、声かけをしても無表情なままです。実習開始後しばらくの間、どう介護すればよいのか、どう援助してゆけばよいのかまったくわからずに困惑してしまっていました。福祉施設の職員が介護できるレヴェルではなく、精神科の手助けがどうしても必要だと思っていました。この棟には精神病棟から移られてきた要介護者や、他の施設で介護不可能の判断されたような要介護者がいらしたのです。

試行錯誤しながら過ごしていてハッと気がついたのが、人格の否定から入るのではなく、人格の肯定から入れば楽になるということでした。戸惑いの気持ちというのは、要介護者の行動を否定しているから生まれのだと気がつき、すべての行動をありのままに受け止め、肯定することにしたのです。すると、肩の力がスッと抜けたのです。生きていたいという人間の生命への執着を認め、それを後押ししよう、そう思い始めるとやっと重度の認知症の要介護者にも対応することができるようになりました。

実習記録にこはこんなことを書いていました。

「本能でしかない生理現象から、人が「生きている」ということを認識したのは初めてだった。これまで人間は、本能ではなく、考えること、意識を主体的に表現することで存在の意義を示すものだと思っていたので、対人間の考え方を大きく方向転換しなければならなくなった。人間として生きること、それは、存在しているだけで十分なのかもしれないと改めて思う」


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