排泄の残存能力と介護

残存能力と介護

2011年12月01日(木)

「残存能力」という言葉を耳にされたことがあると思います。チョー簡単に言うと、障害をもっている人に残されている能力のことです。介護している人は要介護者にどんな能力が残されているかを見極め、できるかぎりその能力を使い、生かすことで生活の質を向上させるように心がける必要がありますよね。

母は最晩年はオムツを利用していましたが、今思うとそれは、母に残されていた能力を無視し、ひたすら手を抜いて介護を済ませようとしていた私のずさんな気持ちの現れでした。母はしばしば排泄の失敗をするようになりました。正直なところ、その始末をするのが面倒になっていました。また、排泄による悪臭が部屋に漂うことにも嫌悪感がありました。排泄をすること、悪臭が漂っていたことも母の生きていた証だったのに、オムツを着用させてしまったのです。今は排泄の始末にも悪臭にも悩まされていませんが、母の姿はどこにもありません。

母の能力を信じて、それを手助けすることが私の役割だったのです。私が怠け心を出さなければ、母は残された能力を必死で使い、たぶん死ぬまでオムツをする必要はなかったのではないかと思います。残存能力を生かすというのは、生活の質の向上のためだけではなく、生きようとする意志を助けるものでもあったのだと思います。「なにもできない自分」ではなく「やればできる自分」。残存能力を支えてあげることがなぜできなかったのだろうかと、悔やんでいます。


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