興味のあることを介護で引き出す

介護で興味を引き出す

2011年12月06日(火)

私が実習に通っていた特別養護老人ホームには書道や生花、手芸、音楽クラブなどがありました。どれを選ぶかは入居者の自由なのですが、自分の意志を示すことができない方がほとんどでしたから、その方の雰囲気に合ったクラブを施設側で決めていたようです。私も生花クラブのお手伝いをしましたが、手厚い介護が必要な重度の認知症の方たちが花に興味を持つことはなく、だからせっかくの花も、職員が代わりに生けておしまいといったふうでした。職員は忙しいので、ついついそういう行動を取ってしまうのです。

研修生だからこそできたことなのですが、私は花の命を手に感じて欲しいと、必ず花を手に渡して生けるお手伝いをするようにしていました。生け終った花を口に運んでしまったり、切りくずの茎だけが生けられたりなんていうこともありましたが、一瞬であっても「花がきれい」と思ってくれれば良かったのです。

施設でのクラブは「静」のものばかりでしたが、中には「動」に興味のある方もいたと思います。私の母は若い頃運動が得意で、体育関係の学校に進みたいと思っていたそうなのですが、当時は女性はお裁縫だのなんだのという花嫁修業が主流でしたから、母も不本意ながらそのテの学校に進まされました。母はそれが悔しかったようで、自宅近くの公園に散歩に行くたびに、公園の片隅にあったバスケットボールのゴール(母と正反対に、スポーツにまったく興味がないので名称がわからない・・・)にボールを投げ入れる真似をしていました。そして必ず、「いつも先生に褒められていたのよ」と自慢していました。今、その姿を思い出すのは辛いですが・・・。

人間脳の片隅には、好きだったこと、得意だったことがそっとしまわれているのかもわかりません。


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