親の介護は子供の義務なのか、犠牲なのか?

認知症の介護

2012年01月25日(水)

母は自分がどこにいるのか、時々わからなくなってしまうことがあるようでした。今まで普通に話をしていたかと思うと急に不思議そうな顔になり、家の中を見回す仕草をするのです。そういう時には必ず、自分がどこにいるのかわからなくなっているのです。私のことだけはしっかりわかるらしく、「なんであなたがここにいるの?ここはどこなの?」と聞いてきます。」そのうち、介護をバトンタッチしてもらうために姉の家に連れていくと、「ここの家、来たことがあるみたいだけれどどこからしら?」と言うようになりました。姉は「やあねえ、私の家じゃない。何回も来てるのにわからないの?」と、ちょっと苛立った言い方をしてしまうのですが、そう言われてもただ不思議そうにしているだけでした。認知症のはじまりでした。場所がわからないととても不安になるらしく、しばらくふさぎ込み、「私、頭が変になっちゃったみたい」と嘆いていました。

以前住んでいた家のお隣さんのIさんも、認知症の母親を介護していました。お母様はIさんと一緒に住んでいるのに朝になると、「どこの方かわかりませんが、ご親切にしてくださってありがとうございます」とか「どなた様でしたっけ?」と聞いてくるのだそうです。気丈な母親だったのでその変化にショックを受けたようです。ただひとつの救いは「ありがたい、ありがたい」と、何をやってもそう言って感謝してくれることで、幸せだと思ってくれているらしいこと、それだけで先行きの見えない介護もやり遂げることができたと、お母様亡き後そう話してくれました。

もし介護している方から「私はどこにいるの?」と聞かれても、「何言ってるのよ、自分の家じゃない」と言った返答は禁物です。余計に不安を与えてしまいますから、「初めて来たところだからわからないのよね。心配しなくても大丈夫よ」と言ってあげましょう。もし歩くことが可能なら、家の周りをゆっくり散歩してあげることで落ち着くことがあります。不安な気持ちに優しく寄り添ってあげたいですね。


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