家族にできない、高齢者の薬の管理

薬の管理が難しくなったら

2014年10月26日(日)

高齢者の病院通いには意外な問題点があります。受診の際に自分の症状を医師に正確に伝えられなかったり、医師からの説明を十分に理解できないのです。そのため、飲むと具合が悪くなると感じている薬なのに、医師にそれを伝えられず、飲まないと病気が悪くなると思い込み、お呪いのように飲み続けているなんていうケースもあります。

90歳のお婆ちゃんがいます。しっかりされているようでも年齢的な衰えは隠せず、記憶力や理解力に問題があって、日常生活を送る上では家族の支えがどうしても必要になっています。特に医療面では、一人での通院が難しい状態になっているのですが、同居している息子夫婦は仕事が忙しいこともあって、まったく意に介していません。病院へはタクシーを利用して行っているのですが、タクシーの乗降も結構大変です。

もっと切実なのは薬のことです。薬をきちんと飲むことができず、飲んだのを忘れてまたすぐに同じ薬を飲んでしまうのです。体が急に震えだしたり、目が回って倒れたりすることがあって、そのたびに自分で救急車を呼んでいました。救急隊員からは「またですか」と言われる始末。ところが、本人も家族も、まさか薬のせいだとは思っていなかったようです。ケアマネさんが関わるようになり、まず最初に薬を疑いました。案の定、受診した数日後に訪問すると、3週間分出されているはずのメンタルのお薬と入眠剤がほとんどなくなっています。意図的にではなく、本当に忘れてしまって、一日に何回も飲んでしまっていたのです。

本来なら、家族に服薬管理をお願いするところですが、ケアマネさんは、家族関係を考え、他人にお願いしようと思いました。「居宅療養管理指導」の制度を利用したのです。薬剤師さんが月1回、薬の管理指導のためにお婆ちゃんの家を訪問していますが、それ以来、薬の過剰摂取はなくなり、救急車を呼ぶこともなく、とても健康に過ごされています。居宅療養管理指導については長くなるので書きませんが、もし、そうした制度を利用してみたいと思ったら、ケアマネさんに相談してみてください。

高齢者の受診の際には、できるだけご家族が同伴されることをお勧めしますが、それを負担だと感じるご家族や、独居高齢者の方もいますので、医療に精通した専門家が、受診時に診察室に一緒に入って話を聞いてくれるような制度があるといいなあと思っています。


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