母ではなく猫を連れ帰った姉

母を引き取るつもりが・・・

2011年09月02日(金)

姉が遅い結婚をして2年ぐらい経った頃だったでしょうか。ようやく生活も落ち着いてきたので、母を姉が引き取っても良いという話になりました。私はその当時、母の介護の先行きが見えないことからうつ状態になり、精神科に通ったりしてとても辛い時期を過ごしていましたから、さすがにその様子を見て、これは引き取ったほうが良いと思ったのではないでしょうか。

母を引き取ってくれれば心身ともにラクになりますから、それは嬉しい申し出でしたが、なにぶんにも姉の住むマンションは母を引き取るには手狭です。しかも、姉は当時仕事をしていましたから、介護が必要な母を一人マンションに残して仕事に出かけることになります。そんなこと、絶対に無理だよなあ。母を引き取りに来るというその日まで、姉に母を託してよいのだろうか、私が介護したほうが、姉夫婦にとっても母にとっても幸せなのではないだろうかと悶々とし、迷いに迷っていました。でももし母をこのまま介護し続けたら、きっと精神的に持たなくなる・・・。

姉が母を連れに来た日は雨降りでした。私は猫が好きで家の中でも飼っているのですが、その頃どこからともなく現れた三毛猫が庭に棲みつき、追い払うこともできないまま、結局避妊手術をして外猫として飼っていました。その三毛猫が、姉の来るのを待っていたかのように、その時間だけ玄関の軒先現れ、ちょんこらと座っていたのです。猫が好きな姉はその姿を見て同情しきり、「かわいそうねえ」と言うのです。すかさず「連れて帰る?」と聞くと「いいわよ」という返事。気が変わらないうちにと、さっさとキャリーバッグに猫を入れて姉に渡しました。

姉は、母ではなく三毛猫を連れ帰ったのです。私はなんだかほっとしたような、狐につままれたような気持ちでした。とても性格の良い猫だったので、里親さんを探していたのですが、まさか姉に貰われてゆくとは。しかも母の代わりに。母はその後亡くなるまで私と生活することになりました。

私はといえば・・・神的に追い詰められつつも、結局、なんとかなってしまったのですよね。


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