老いて一人で住む不安

老いて一人で住む

2011年09月05日(月)

私の家のお隣に、今年80歳になるご婦人がお一人で住んでいます。ご主人はもう何年も前に亡くなられています。すぐ近くに娘さん一家が住んでいることもあって、寂しいという訴えを直接このご婦人から聞いたことはありませんが、最近ちょっと気にかかることがあります。それは、あれほど丁寧に手入れしていた庭が荒れてきていること、にぎやかな笑い声が毎日のように聞こえていたのに、家全体がシーンと静まりかえっていることです。老いがそのご婦人の身にヒシヒシと迫っていることを感じないわけにはいきません。

人間の体にはいくつかの節目があるんですね、母を見ていて感じたのは70歳、75歳、80歳、85歳がそうした節目でした。その年齢を迎えるたびに老いが重なり、衰えてゆくのがわかりました。それでも70歳はまだまだ若く、気力だけはなくなりつつあって、料理や掃除はさすがに億劫そうでしたが、体だけは元気で買い物などにもどんどん出かけていました。75歳の時には持病の心臓病が悪化し、救急車で運ばれた病院で医師から「明日、あさっての命」と宣告されたことがありました。80歳になると足腰がめっきり弱って杖が必要になり、新聞にもテレビにもあまり興味を示さなくなり、85歳になるとほとんど一日中寝てばかり、家族に対する反応も鈍くなって、認知症の症状を呈するようになりました。頻繁に転倒するようになったのもこの頃でした。

そんな母の様子を思い出しては、お隣のご婦人の老いを心配してしまうのです。80歳を越えて一人で暮らせるというのは、心にとても強い芯のある女性なのだと思います。もちろんお体も人一倍お元気なのでしょう。でも火の不始末や病気、事故を考えると、他人ながら、一人で生活するのはそろそろ限界なのではないかと心配になったりします。自立した高齢者でいること、それはとても素晴らしいことだとは思うのですが、やはり地域での見守りはどうしても必要でしょう。私もプライバシーを侵害しない程度に、そっと見守っていたいと思っています。


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