親の介護は子供の義務なのか、犠牲なのか?

特養カット

2011年07月20日(水)

施設では、何ヶ月に一回の割でボランティアさんが髪の毛のカットに来てくれていました。その日にたまたまショートステイを利用していると母も恩恵にあずかることができ、さっぱりとした髪型で帰宅することができました。でも・・・それは短く刈上げた男性のような髪型。お洒落だった母はお気に入りの美容院に電車で通い、お気に入りの美容師さんにパーマをかけてもらっていたほどでしたから、そんな髪型が気に入るとは思えなかったのですが、特に何も言うことはありませんでした。鏡を見ることがなくなってしまっていましたから、自分の姿がどうかなんていうことに、すっかり興味を失っていたのかもしれません。

主人は母のそんな髪型を「特養カット」と言っていました。そうなんですよね、施設の女性は全員おなじ髪型。女性ばかりではなく男性もね。つまり「特養カット」というのは男女の性別には関係がないのです。確かに洗髪はラクですし、朝起きた時も手櫛で間に合うほど楽な髪形ですから、身の回りのことが不自由になっている高齢者にとってはこの上なく便利な髪型なのかもしれません。でも男性と同じような刈上げ姿に私は馴染むことができませんでした。たとえ本人が認識できなくても自覚できなくても、母が持っていた美意識を大切にしてあげたいと思っていました。母の髪型を見るたびに切なくなってしまい、ある日意を決して美容院に連れて行きました。ところが・・・美容院が何をするところか母はわからなかったようです。帯状疱疹の痛みが残る腕につい触ってしまう美容師さんに悪態をつき続けるため、パーマをかけきることもできずないままそそくさとお店を後にしました。いいのかも、本人がわからないんだもの、いいのかも・・・それ以来ずっとそう思っていました。


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