母の思い出と共に介護する

思い出ごと介護する

2011年09月08日(木)

母は小さい頃の思い出をあまり語らない人でした。出生に複雑な事情があったこともあり、自分の境遇に触れたくなかったからなのかもしれません。料理をこまめに作りケーキをはじめお菓子もすべて手作り、洋服もすべて手作り、そんなふうに子供をそして家族をとても大切にしていましたが、時に感情的になり、そのむき出しの感情に子供が振り回されてしまうことがあったのは、生い立ちのせいだったという気もします。姉は、家族の本当の愛情を知らないで育ったから、私たちに対してもどうやって愛情を注げば良いのかわからなくなってしまうことがあったのではないかと言います。そんな気がします。

母を介護している間も、なんだか触れてはいけないことのように思えて母の生い立ちには一切触れずにいました。ほんとうは聞いてあげたほうがよかったのかもしれません。今はそう思います。過去の心の傷というのは、触れられることでさらに深くなることもありますが、逆に傷が癒されるということもあるからです。そのどちらになったかはわかりません。でも、心の奥底に辛い思い出をしまいこんで亡くなっていった母の心情を思うと、解放してあげるべきだったようにも思うのです。母の気持ちに寄り添ってあげるべきだったかなあと。介護という以上、身体的なことばかりではなく、心もまとめて介護してあげなければいけなかったんですよね。

それにしても・・・こんなことあんなこと、なぜ大切な人が生きている時に気づかないのでしょうね。母の介護の思い出を書いているといつもいつも、なぜもっと早くに、なぜ生きている時に・・・そう思ってばかりです。


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