介護職の離職率と賃金の関係

介護職の離職率

2011年08月24日(水)

きょうも、読売新聞の朝刊にこんな記事がありました。「介護」という文字を見るとついそこに引き寄せられてしまいます。

『介護職の離職率3年ぶり上昇、0・8ポイント』
介護労働者の2010年の離職率は17・8%と、前年に比べて0・8ポイント高くなったことが、23日に財団法人「介護労働安定センター」が公表した介護労働実態調査でわかった。離職率の上昇は3年ぶり。調査は昨年10月1日現在で、全国の介護サービス事業所を対象に実施、7345事業所(回答率43・1%)が回答した。1年間に辞めた職員の割合を示す離職率は、訪問介護員以外の介護職員は19・1%で、前年より0・2ポイント低下した一方、訪問介護員は14・9%で、同2・0ポイント上昇、全体では17・8%だった。

「前年に比べて」という表現がされていますが、毎年毎年、「前年に比べて」介護職の離職率は上がっているのですから、介護労働者は減るいっぽうなのでしょう。どこかで歯止めをかけないと、社会は高齢化していくのに、福祉がその事態に対応できないという日がいつかやってくるかもしれません。この記事を読んた後に、新聞に織り込まれていた求人広告のチラシを見ていたのですが、病院などの求人欄を見ると、介護職に対する社会の認識がいかに低いかが一目瞭然で、これじゃぁやめたくなるのも無理はないと思ったりします。

看護士、薬剤師、介護士の募集が一度にかけられている病院の賃金を比較してみると、たとえば看護士や薬剤師が時給1,500円から2,000円ぐらいに対し、介護職は800円から900円・・・一桁違うのです。デイサービスや訪問介護は昼間の労働ですが、施設職員になれば夜勤もあります。これは看護士と同じ労働力だと思うのですが、なにがこうした賃金の差になってしまうのでしょうね。

介護職というのは人の命と心をあずかる職業で、これって、看護士と同質のものだと思うのですが、何が違うと考えられているのでしょう。賃金云々で動くのは福祉とはいえないって?・・それは違います。賃金というのは労働に対する対価ですから、賃金が低いということは、その労働は社会的価値が低いと社会が判断しているとも考えられます。これだけの労働に対して、だからこれだけの報酬があるということ、それは「やりがい」ともつながり、結果的に仕事の質を上げる重要な要素となってくるのではないでしょうか。ですから介護職の離職者をストップするためには、まず報酬を見直す必要があるように思うのです。

といっても、そのために福祉サービスの利用者の負担が増えてしまっては本末転倒です。国が福祉に対して手厚く保護してゆく姿勢が結局のところ求められるということになりますが、小泉政権以降の「切捨て御免」の福祉政策、代表者選びに汲々としている民主党じゃこの先も良い方向に転換することなんてないかもと、これまた悲観的。


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