施設で見た食事の介助

食事の介助

2011年06月22日(水)

母は晩年歯がありませんでしたが(心臓がかなり悪かったので、歯の治療は無理だと医師から言われていました。)食べるものだけは、よほど固いものでもないかぎり普通に食べることができました。好き嫌いが激しく、なぜか簡単に作れるものを敬遠するため、食事作りの手を抜くことができず、忙しい時にはそれがイライラの原因になったりもしていました。でも考えてみれば、食事というのは人間の楽しみのひとつなんですよね。体が動かなくなり、自由に出かけることもままならなくなった母の唯一の楽しみ、その楽しみにもっと応えてあげればよかったと思っています。

食事のことで思い出すのは施設での研修の時のことです。今も、施設はどこも人手不足ですが、その頃(10年ぐらい前)は今以上に施設の職員が不足していました。ですから、食事時間はてんてこ舞いでした。介助の必要な高齢者を並べ、左から順番に、ごはん、ごはん、ごはん、味噌汁、味噌汁、味噌汁・・・また戻っておかず、おかず、おかずと、一人で何人もの食事の介助をするのです。でもこれはまだましなほうでした。寝たきりの方に対しては、人間としての尊厳そのものをまったく無視していました。ごはんと味噌汁とぎょうさと酢の物という飛んでもない組み合わせであっても全部一緒に混ぜ合わせ、ぐちゃぐちゃにしたものを口の中に入れるのです。

食事に対しての意識がありませんから、当人はまったく意に介していませんが、それを良いことに平然と介助する職員に対し、また、そういう行為を許していた施設の理念の低さに、今でも怒りの気持ちが湧いてきます。もし私の母がそんなことになっていたら・・・悔しくて悔しくてたまらなかったと思います。


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