介護は身内よりも他人のほうが優しくなれる

他人だから優しくできる

2011年07月26日(火)

社会福祉士の資格を取るためには、福祉施設で2週間実習をする必要がありました。職員の方たちと同じ条件で仕事をし、毎日の研修内容を記録したものを大学に提出して単位をもらうのです。私は特別養護老人ホームで研修をしました。1週間は入居者の方たちのお世話を(そのうちの3日は認知症が軽症の方たちが入居している棟で、あとの4日は重症の方たちの棟で)、残りの1週間はデイサービスの仕事をしました。自慢話のように聞こえてしまうかもわかりませんが、入居者の方たちからは、「あなたは本当に優しい人だね」としょっちゅう言われていました。

実はこれが曲者なのです。施設の利用者の方たちには、たぶん私はこの上なく親切で優しかったと思います。痒いところに手が届くといった感じで、利用者の欲していることを先に先にと提供するように心がけていました。声かけも心をこめたものでした。でもこれって・・・他人だからできたことなのではないでしょうか。少なくとも私の場合はそうでした。母に対しても同じように優しく接していたかというと、決してそうではなかったのです。

人って不思議なもので、他人に対してはいくらでも親切に振舞えるのに、身内となるとそうはいかなくなってしまうことがあります。お互いにわがままが出てしまうからかもなのかもわかりませんが、私の場合は母とのそれまでの精神的な葛藤があり、素直に優しくすることができずにいました。他人とはいがみあうようなしがらみなんて一切ありませんから、いくらでも優しくすることができたのです。親の介護は、身内よりもむしろ他人に(福祉のプロに)任せたほうがお互いに幸せかもしれないと思うようになったのは、こんな体験があったからでした。


QLOOK ANALYTICS