子どもに頼らず、夫婦で老後を考える

子どもに老後を預けますか?

2013年03月01日(金)

夫81歳、妻80歳のご夫婦。昨年5月に仕事の関係でご自宅に訪問しました。夫が心臓に2リットルの水が溜まっていたとかで手術をし、退院された直後でした。夫の様子は「ちょっと足腰が弱っているかなあ」といった程度で、介助してもらわなければ生活できないというというほどではありませんでした。ただ妻は、このまま夫が弱っていくのではないかととても心配になっていたようで、介護保険を申請するとどういうサービスが受けられるのかを盛んに気にされていました。

長女、次女二人は結婚してそれぞれ家庭を持ち、ご夫婦だけで暮らしていたのですが、高齢になって先行きが心配になり、長女一家の住む家の近所に引っ越してきたという事情がありました。体力的にもまだ二人で暮らせる余力が見られましたし、長女がすぐ裏にいるので、何かの時には力になってくれるのではないかと思い、その後特にリアクションを起こすでもなく半年以上の月日が経過しました。

ところがつい数日前、夫が転倒して頭を打ったという電話が入りました。すぐに病院に連れて行ったところ脳の萎縮が始まっていると言われたとかで、それも転倒の一因になっているようでした。状況を伺うと、どうやらアルツハイマーのようです。妻は「おむつを当てなければ排泄を失敗するようになった夫の面倒を、もう見ることはできない」とはっきり言いきりました。「このままいけば私も倒れる。そうならないうちに老人保健施設に入れたい」と言うのです。

裏に住む長女は、この状態になっても他人事のように振舞っており「お母さんのしたいようにすればいいじゃない」と言われたとか。仕事を理由に病院への付き添いも拒否しています。家族の中でどのような事が起きているのかはわかりませんが、ご夫婦はわざわざ思い入れの深かった自宅を売って、娘の傍に転居してくる必要などなかったのではないでしょうか。妻の言うように、住み慣れた土地で、気心知れた友人たちと世話を焼いたり焼かれたりのほうがずっと良かったのかもわかりません。あるいは、割り切って有料老人ホームに入っていたほうが、かえって寂しい思いをしなくて良かったのではないかと思ったりもします。

子どもに老後を預ける・・・その決意ってちょっとした賭けなのかもわかりません。

(Kさん、メールをありがとうございます。共感しながら読ませて頂きました。影ながら応援しています!お体に気をつけてがんばってくださいね。)


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