親の介護をめぐる意見の違い・対立が招く介護離婚

介護離婚

配偶者の親の介護が必要になった時、そうした事態を予期していなかった夫婦の間では、介護をめぐるさまざまな諍いが起きることがあります。解決策が見つけられないために、離婚をしてしまうというケースも珍しくありません。熟年世代の離婚原因のひとつとされている親の介護。介護が原因で離婚するのを「介護離婚」といいます。介護離婚の中には、親ばかりではなく、配偶者の介護が原因による離婚も含まれています。

介護離婚

親の介護は、子と親の間だけの問題だけではなく、夫婦の間にも予期していなかった問題を引き起こすことがあります。突然降って湧いた配偶者の両親の介護をめぐって意見が対立し、離婚にまで発展してしまうというケースも珍しくありません。 熟年女性の離婚の理由には「家事を手伝わない」「暴力を振るう」「経済面での不満」「浮気」「酒癖が悪い」などがあげられますが、最近では「夫の親の介護」が離婚原因の上位を占めるようにもなっています。配偶者の親の介護問題が浮上した時点で意見が噛み合わず、離婚してしまうのを「介護前離婚」、実際に介護をして始めた段階で生じたトラブルが原因で離婚に至ってしまうケースを「介護離婚」と言います。


介護離婚の主な原因

介護離婚や介護前離婚の背景には、妻に介護を任せたままで、理解も関心も示そうとしない夫の態度や、嫁、娘など、介護は相変わらず女性の当然の仕事だと決めつけて、女性だけに大きな負担を強いるといった社会風潮があります。

2003年の内閣府の調査によれば、婚姻期間が20年以上になる夫婦の離婚件数が増加しており、このようないわゆる「熟年離婚」の理理由のひとつとして、親の介護問題があげられています。もちろん男女が逆のケースもあります。たとえば、介護離職までして実の親の介護をしている夫に対し、妻が無理解であったり非協力的であれば、夫が妻との離婚を考えるようになっても不思議ではありません。


夫婦間の介護が原因の介護離婚

介護離婚というのは、親の介護が原因する離婚ばかりではなく、配偶者の介護が原因とでの離婚も含まれています。たとえば、特別養護老人ホームに入所している、重度のアルツハイマー症の妻との離婚を訴えた夫に対し、裁判所が離婚を認めたという判例があります。これは、夫側が民法770条の「強度の精神病にかかり回復の見込みがない」「婚姻を継続し難い重大な事由」を理由に提訴したもので、「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たると判断され、離婚が成立しました。


普段から親の介護について話し合っておく

配偶者の親の介護が原因の介護離婚や介護前離婚は、夫婦がお互いの立場を尊重し、理解しあい協力しあうことで危機を乗り越えることができます。介護を一人で背負えば、精神的・肉体的に追い込まれてしまいますから、妻もしくは夫の支えは不可欠です。

普段から、双方の親の介護が必要になった時、配偶者としてどのように振舞うか、あるいはどこまで関るかを確認しておけば、いざという時に安心して介護問題に取り組むことができます。親の介護は、実の親のみならず、配偶者の親も含めて将来的には避けては通れない問題なのです。物心共にしっかりと準備をしておくようにしましょう。


イラスト

イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

メールアドレス

QLOOK ANALYTICS