遠距離に住む親の介護の問題点

遠距離に住む親の介護

遠距離に住む親の介護は、心身のみならず、経済的にも大きな負担が子供にのしかかっています。今は元気な親も、年とともに人の手を借りなければならない場面が増えていきますから、そうなった時にどう対処すればよいか、負担を軽減するためにはどのような方法があるかを子世代は普段から考えておく必要があります。

高齢者の一人暮らしは危険と背中合わせ

高齢になると思うように体が動かなくなるだけではなく、判断力の低下が生活に支障をきたすようになります。家族の知らない間に悪徳業者にだまされ、金融被害やリフォーム詐欺などに遭っていたという話もしばしば耳にします。火の不始末による火災や孤独死など、高齢者の一人暮らしは危険と背中合わせですから、子世代は親との接触をできるだけ増やし、日常を見守るといった努力が必要になってきます。

ところが高齢の親を持つ子の年齢は、そのほとんどが40代~50代の働き盛りですから、介護に専念することは難しく、親が遠距離に住んでいるケースでは、「介護離職」を迫られるなど、子世代の生活に支障をきたすケースもあります。遠距離介護は通信費や交通費などもかかりますから、経済的な負担も馬鹿になりません。介護にかかる費用を誰がどう負担するのか、誰が介護するのかといった役割分担については、兄弟姉妹などとしっかりと話し合いをしておくようにしましょう。


遠距離介護を乗り切るために

『遠距離介護』(太田差惠子著・岩波ブックレット・2003年)の中に、「遠距離介護を乗り切る心得11か条」というのがあります。簡潔に介護の心得が書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.三歩早めにスタートし、介護予防(*)に重点を置く。
2.便りのないのは元気な証拠、とは限らない。
3.ふだんの親の生活パターンを知っておく。
4.親の暮らす地域の各種サービスの情報収集は子どもの役目。
5.ケアマネージャーや医師には積極的にコンタクト。
6.親の親友、近隣の電話番号を聞いておく。
7.育った時代背景が異なる親に、子どもの価値観を押しつけない。
8.考えるだけでは進展なし。実行することが重要。
9.兄弟姉妹、配偶者を味方につける努力を。
10.世間体より親と子の笑顔が大切。
11.無理は禁物。通う子どもの心と体の健康も大事。

(*)「介護予防」というのは、介護が必要な状態にならないように予防すること、また、介護が必要なケースであればそれ以上悪化させないこと、改善させることを言います。1)積極的に体を動かすことによる運動機能の向上、2)栄養改善、3)口腔ケアが介護予防の三本柱となります。


精神的に追い込まれたら

遠距離の親の介護を一人で背負おうとすれば、いつか破綻することにもなりかねません。精神的、肉体的、経済的に限界がきてしまうからです。兄弟姉妹や配偶者との連携・協働は不可欠なものですが、そうした親族がいなかったり、兄弟姉妹などが非協力的であるなどの理由で、なかなか思うようにいかないことがあります。その場合には、公的な介護支援を積極的に利用するなどして問題を解決していくようにしましょう。自分を追い詰めてしまう前に、福祉のプロに相談することで、問題解決の糸口が必ずつかめるはずです。介護には「割り切る」気持ちが必要になることがありますが、そのこともしっかりと心に留めておいてくださいね。


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イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

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