親の介護の犠牲になったと思う前に

犠牲だと思う前に

自分の人生を犠牲にしてでも親の介護はするべき・・・こうした考え方は、実際に親の介護に携わり、さまざまな苦しみの渦中にいる介護者にとっては、辛いものがあります。介護に携わったことのある人なら、親の介護が決してきれいごとでは済まないということを実感しているはずです。介護に時間を取られ、自分のやりたいこともできないまま人生がどんどん過ぎていってしまう。そうしたあせりの気持ちは、時に、いつまで生きているのだろうという理不尽な憎しみを親に向けてしまうこともあるのです。

実の親と配偶者の親の介護

介護というのは不思議なもので、実の親以上に、配偶者の親の介護に対しては、自分の人生を「犠牲」にしているという意識が強くなってしまうようです。

「がんばらない介護生活を支える会」が行った調査(2002年7月)によりますと、被介護者が実の親であったときには、介護する子供は介護しなければならない現実をごく自然に受け止め、むしろ、介護から得るものが大きいとさえ考える傾向があるのに、被介護者が配偶者の親などになると一転して、「自分だけが介護を押し付けられている」「なぜ自分が介護しなければならないのか」といった被害者意識が強まる傾向にあるそうです。被害者意識=犠牲ということなのでしょう。


自分の人生を確保する

「犠牲」という意識は、介護する人にとっても介護される人にとっても辛いものです。犠牲にしてしまっているという加害者意識と、犠牲になっているという被害者意識・・・わかっていても、どちらにも逃げ道がありません。犠牲という言葉が重くのしかかってきたら、自分の心を解放してあげる方法を探してください。公的な支援を受けるなどして介護の負担が軽減できれば、自分の時間を確保することができますから、ひといきついて自分を取り戻しましょう。

介護には昼も夜も、平日も休日も関係ありません。介護に追われ続けていれば、息がつけなくなってしまうのも当然です。そのままではいつか身も心も壊れてしまいます。介護からやっと放されたと思ったら、自分が介護される年齢になってしまっていたなんて、笑い話にもなりません。自分の人生を介護の犠牲にしてしまわないためにも、いつもいい子、いい人でいようとしないことです。いい嫁もやめましょう。冷たいようでも、時に割り切ることが介護を長く続けられるコツなのです。


家族の理解と公的支援

親の介護の「犠牲」になっていると少しでも思い始めたら、まずは身近な家族に心を打ちあけ、介護についての理解を求めましょう。その上で公的支援を受けられるよう、最寄の役所の福祉課や地域にある社会福祉協議会などに相談をして、問題点の解決を図ってみてください。

老人ホームなどでも介護についての相談に乗ってくれますから、遠慮なく問い合わせてみましょう。犠牲だと思いながら介護をしていれば、いつか分厚い壁に突き当たり、乗り越えられなくなってしまいます。そうなる前に、積極的に問題を解決してくださいね。


イラスト

イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

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