親の介護をめぐる夫婦の問題

親の介護と夫婦の問題

夫婦の生活の中に、高齢になった親の介護の問題が生じることがあります。介護は心身ともに負担の大きな仕事ですから、夫婦間の理解と協力、そしてお互いの思いやりが大切です。親の介護をめぐるトラブルで夫婦関係が破綻し、離婚してしまうケースも少なくありませんが、親が原因で離婚しなければならないというのは、親にとっても子にとっても不本意なことに違いありません。介護への理解を深めるための話し合いを心がけ、どんな問題に対しても常に最善の方法が取れるよう、夫婦の気持ちをひとつにしてがんばってくださいょう。

介護に対する夫の無理解

夫婦いずれかの親を介護することになった時には、実の親であれ義理の親であれ、夫と妻が互いを助けあうという姿勢が望まれます。親の介護が日常的になると、これまでの生活サイクルが大きく変わり、精神的にも肉体的にも、そして経済的にもさまざまな負担が増えてくるからです。夫婦が相互に理解しあい、協力しながらひとつひとつの問題に対処していかないかぎり、長期にわたる介護はいつか座礁に乗り上げてしまうことになるのです。

ところが現実には、協力しあいながら介護にあたっている夫婦はきわめて少なく、ほとんどの場合、夫婦のうちのいずれか一方(妻であることが多い)が、たった一人で介護を背負うことになりがちです。実の息子である夫が親の介護に無関心でノータッチとなると、「配偶者」である妻は、なにからなにまで介護を任されてしまうということになるのです。夫の介護への無関心、非協力的な態度は、妻の心の中に徐々に不満を生じさせ、実の親ではないのになぜ自分の人生をこんなに束縛しなければならないのか・・・という割り切れなさともあいまって、精神的に追い込まれ、その結果、離婚という深刻な問題に発展することがあるのです。


夫婦で介護について話してみましょう

もっとも、男性の40代50代は仕事が忙しい時期でもあり、また責任を負わされる年齢でもありますから、家に帰って介護をするという時間はなかなか取れそうにありません。妻としては夫のそうした状況を十分に理解しているつもりでいても、介護の重圧がいつしか夫への不満に変わり、しまいに、感情が爆発してしまうことがあるのです。

親の介護が原因で離婚せざるをえないという状況は、親にとっても子にとっても不幸なことです。そうならないためにも、夫婦の間で介護についての認識を深め、お互いに何ができるか、何をするべきかをしっかりと話し合うようにしましょう。最近は、親の介護のために一時期離職したり、介護に無理のない労働条件の職場に転職する男性も増えてきています。男性が介護に関わることは歓迎すべきことですが、離職、転職は経済的に不利なこともありますから、将来的なことを見据えた上で、結論を出す必要があります。


法的にみた親の介護

子の親の介護は、法的には「生活扶助の義務」という位置づけになっています。親に対する子の扶養の義務は、「子が、(妻子のそれを含めて)社会的地位相応の生活を送った上で、なお余裕があれば、その範囲で最低限の金銭的援助をすれば足りる」とされていますから、相対的には義務の低いものとなっています。まして、妻が夫の両親を見る法的義務などまったくないといってもよいかもしれません。

ただしこれは、あくまでも法的に見た場合のことです。義務がないのだから介護はしなくて当然という姿勢は、人間としてどうでしょう。介護は「義務だからする」ものではありません。夫の両親であれ妻の両親であれ、介護が必要な親を夫婦がどのような立場から援助していけるか、最善の方法を考え、結論づけることが子として、あるいは縁あって夫婦となった二人のやるべきことなのではないでしょうか。


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イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

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