親の介護をめぐる兄弟姉妹間の金銭トラブル

親の介護と金銭トラブル

親の介護は心身のみならず、経済的にもかなりの負担が強いられることになります。親の介護を引き受ける時には、たとえ兄弟姉妹の関係であっても、しっかりと約束事を決めておくことが大切です。特に経済的な援助については、後々、面倒な金銭トラブルを抱えてしまうことのないよう、十分な取り決めをしておきましょう。

経済的負担が大きい親の介護

親の介護というのは、思った以上に経済的負担が大きいものです。介護費用を兄弟姉妹などが平等に分担し、負担していれば問題はあまり起きませんが、それでも後々、親の残した財産をめぐっての争いが起きることがあります。介護に協力的ではなかった兄弟姉妹が、いざ相続となると平等に分配するよう主張してくるといったことが、争いの誘引となるのです。

こうしたケースでは、法的には介護をしたという事実に対して多少の寄与分が認められることがあるようですが、満足がいかない結果となって長期に渡る争いとなることがあり、そうなると、兄弟姉妹の間には大きな禍根を残すことになります。親の介護ができない兄弟姉妹は、介護をしてくれる人に対して感謝の意も含め、労働の対価として、多少なりとも多めに金銭を負担するといった配慮が望まれます。


金銭面での取り決めをしておく

介護にかかる費用の分担については、兄弟姉妹それぞれに家庭の事情などがありますから、すべて均等に負担するというのはなかなか難しいかもわかりません。無理のない範囲で誰がどれだけ負担するか、きちんと話し合うようにしてください。話し合いの上で決まった額を責任を持って支払ってもらうためには、あらかじめ親の介護費用専用の口座を作り、振り込んでもらうのがベストです。また、介護している人は、介護のために支出した金額をきちんと記録し、いつでも兄弟姉妹に提示できるようにしておけばトラブルも起きにくくなります。

とはいえ、金銭の問題というのはなかなか難しく、いざとなると払わない、払いたくない、払えないといったことから、トラブルに発展する可能性もあります。そうしたトラブルを回避するためには、負担がなるべく軽く感じられるよう、月々の送金という形にすることをお勧めします。できれば期日を決めて、毎月銀行振り込みということ形にすることをお勧めします。電通の意識調査(2009年)によれば、高齢の親を持つ子世代が、親の介護のために負担してもよい考えている金額は月2万円ぐらいなのだそうです。その程度の出費であれば負担感が少なく感じられるのかもわかりません。


介護のためのお金を用意しておく

介護が必要になった時に子供に負担をかけないためには、預貯金などから経費を捻出できるよう、親は元気な時からその資金を蓄えておく必要があります。2006年の世帯主年齢別貯蓄額(金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」)をみてみますと、50歳代で1154万円(貯蓄なし率22.0%)、60歳代が1601万円(同20.1%)70歳以上が1432万円 (同23.1%)という結果になってします。

どの世代にも貯蓄がないという世帯が20%以上あるのは心細い話で、いざ介護が必要になった時には、子世代はかなりの経済的負担を強いられることになります。子に美田を残す必要はないとしても、せめて介護費用ぐらいは蓄えておきたいものですね。


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イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

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