親の面倒は誰がみるのか、介護は誰がするべきなのか

親の面倒は誰が見る

今は元気でいてくれる親も70代80代になれば、思うように体が動かなくなり、最終的には子供が親の面倒をみなければならなくなります。75歳以上の後期高齢者の9割が要介護認定者ですから、子世代が40代~50代になった時に親の介護問題が起きてくることになります。親の介護が必要とわかった時、誰が親の面倒をみるのか、誰が介護に関わるかといったことで、兄弟姉妹や夫婦の間に深刻な問題が起きることがあります。親の面倒は誰がみるべきなのでしょうか。

法的には誰が面倒をみるべきか

兄弟姉妹がいる場合、一般的には、長男や長女が親の面倒をみるといったケースが多いようですが、実際には民法で、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。」と規定されていますから、直系血族である父母に対する扶養義務は、子ども全員が平等にみなければならないのです。

ところが、兄弟姉妹がそれぞれ家庭を持っていたり、個人的な事情を抱えていた場合、いくら法的に平等に面倒を見なければならないと規定されていても、親の面倒をみることができないことがあります。こうした場合民法では「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合の外、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」と規定しており、もし兄弟間で親の面倒が見られなければ、いわゆる「嫁」も扶養義務者として、親の面倒を見なければならないとしています。


第三者による調整

親の面倒をみるにあたっては、精神的・肉体的・経済的な負担を覚悟しなければなりません。兄弟姉妹のいずれもがそうした負担を避けようとすれば、親の面倒の押し付け合いが始まり、争いになることも少なくありませんし、兄弟姉妹が絶縁してしまうなケースも稀ではありません。

兄弟姉妹間で協議しても、どうしても話し合いがつかない場合には、「扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所がこれを定める」という規定に倣い、家庭裁判所に調停を申し立ててみるのもよいでしょう。第三者による調整は、それぞれの事情を客観的に判断したうえでなされますから、感情的なもつれで解決が不可能になっているようなケースでは、特に有効です。


親の面倒を見ることと遺産相続

親の面倒をみていれば、親の死亡後、遺産相続などで有利になるのではないかと考えられがちですが、実際には、面倒をみていなかった他の兄弟より有利になるということは、遺言などがないかぎりありません。遺産相続で揉めるケースとして、介護の間は一切連絡をしてこなかった兄弟姉妹が、親が亡くなった途端、遺産相続の権利を主張してくるといったものがあります。一般常識から考えれば虫の良い話だと思うのですが、法的には決して間違った主張ではないのです。

親の面倒を見ることになった場合には、介護に必要な経費を誰がどう負担するのか、兄弟姉妹の間でどう分担するのか、介護に関わる心身の負担についてはどうするかを明確に取り決めておく必要があります。介護は心身はもとより、経済的にも予想以上に負担のかかるものですから、後々面倒な問題が起きないよう、介護に入る前に、起こりうる問題を洗い出し、きちんと話し合っておく必要があります。


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イラスト・わたなべふみ

ボテちゃんです。社会福祉士とホームヘルパー2級の資格を持っています。親の介護に悩む方のためのサイトを作りました。お役に立てれば幸いです。当サイトについてのご質問等は下記アドレス宛、メールをお願いします。

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